光、道筋を作り導く
季節は6月
春に新芽が出て、新芽が成長し
木々の緑が一層、成長をなしえる時
木々の待ち望んだ恵みの水が天から降る季節
2、3日続く雨に憂鬱な気分になり
学校の行き帰りまたは外で行うクラブに
入っている人々にはイライラが積もり始める
日々が始まりだした。
「今日も雨かぁ・・・・・」
オレンジ色の傘をさしため息を付きながら
玄関のドアを閉め、外に足を踏み出し、
外で待っている人物に声をかける。
「おはようございます。カズ先輩」
「おう」
片手を挙げ、軽く挨拶を交わすと
はカズの横に付き学校へと歩き出した。
「今日も雨ですねぇ・・・・・」
「ま、梅雨に入ったからなぁ」
歩幅が小さいの歩く速さに合わせて
歩くカズがの言葉にぶっきらぼうに返していく。
「今日もグラウンド使えませんねぇ」
「しかたないやろ」
「今日の体育、何するのかぁ」
「体育館やで、バレーかバスケやろ」
「やっぱりソウですよねぇ・・・・・」
色々な色の傘が集まり、同じ制服、同じカバンを
持った人々が学校と言う建物に集まりだす。
その中に混じって、もカズも学校の中に入っていった。
それぞれ、昇降口まで一緒に登校し下駄箱の
場所が違う為、いったんカズと別れクツから上履きに
替える時、後ろから大きな声がかけられた。
「おはよう!」
「おはよう、昭栄。今日も雨だねぇ」
「そろそろイヤになってくるばい」
「本当だよねぇ」
会話をしながらもクツから上靴に替え、
カズが待っている場所へと2人歩いて行くと
何かが当たる音が聞こえると同時に
痛みを訴える声が廊下に響いた。
「イタッ!なんばしょとね、カズさん」
音が響いた場所を押さえ、勢い良く振り向く
昭栄につられても振り向くと
拳を握りしめたカズが不機嫌な顔をしながら
立っていた。
「朝からせがらしか!」
「そげんに怒らんくても・・・・」
毎日の事で誰一人気の止めず、足早に
教室去って行く事に気付きは話をしている
2人に歩く様に促す。
「カズ先輩も昭栄も教室に行かないと
遅刻しちゃいますよ」
の声を聞くと、カズも昭栄も歩き出し
も2人の後ろを歩いた。
階段を上り、2階でカズと別れ教室前で
昭栄と別れ、雨が降る外を見ながら、
1日の授業は終わった。
帰る準備をしていると、ジャージを着た
昭栄が教室に入ってきた。
「、グラウンドまで一緒に行くたい」
「うん。あ、ちょっと待ってね」
教科書、お弁当などカバンに詰め込み
待っていた昭栄と共に教室に残っていた友達に
あいさつをし、上履きからクツに替え、
は傘をさしこれから走る為、傘をさしていない
昭栄を少しでも雨に当たらない様に気を付けながら
グラウンドへと向うと、キャプテンとカズが
柔軟体操をしていた。
昭栄もから離れ柔軟体操をし始まると
次第に同じジャージを来た少年達が集まり
最後にスクータに乗った監督が来ると
柔軟をしていた少年達は、一斉にグラウンドから
道路に出て、監督の声と共に一斉に走りだした。
「いってらっしゃ」
一斉に走り出す少年達には言葉をかけ
見えなくなるまで見送ると、独り校門に立っていた。
傘にあたる雨の音を聞き
走っていった少年が帰ってくるのを待ちながら空を
見ていると、山の頂上辺りに真っ黒な雲が
広がって来ていた。
カミナリ雲?
雲の黒さ、広がりから見て考えて
答えを出すと、遠くからカミナリの
鳴る音が聞こえた様な気がした。
気のせい・・・・だよね・・・・?
なんとも言えない不安な気持ちが広がり
誰かに傍にいて欲しい、心細さが出てきた。
皆、早く帰ってきて!!
雨の中、立っている事が出来なくなり
膝を折って、座り込んでいると
大勢の雨水を含んだ地面を蹴る足音が
聞こえ、の前で立ち止まった。
「、どげんした?」
馴染んだ声が聞こえ、急いで立ち上がると
正面にガズが立っていた。
その後ろに心配そうに昭栄が立ち
周りには、同じ高さに少年達が同じ様な
表情をして立っていた。
「あ・・なんでもないです!大丈夫です。
ご心配お掛けしてスイマセン!」
早口で言葉を言うと、
「さようか、それなら良かけど」
何時ものマイペースの言葉を言うしか
知らない少年達は、勢いに押され頷いた。
ただ一人、の正面に立っていたカズだけが
の姿を凝視していた。
「あ、あの、雨降ってますし校舎の中に入りませんか」
声を微妙に震わせながら校舎に入る事を
進めるの言葉に従う様に歩き始めると
遠くが一瞬、光った。
「今、ヒカリました?気のセイですよね!?」
後半部分を強調しいうと、次の瞬間
音鳴った。
あれ?私どうして地面に寝転んでいるの?
音が鳴った瞬間、目を瞑って耳を塞いだだよね?
顔に雨が当たりながら、自分の行動を考えていると
お腹の当たりに重さを感じ
腹筋を使いながら上半身を上げ、視線をお腹に
向けると、大きな身体がしがみついていた。
「ショーエイ?」
驚きながらもしがみ付いている昭栄に声をかけるが
返事もなく、だた抱きついてくる昭栄に、ゆっくり声をかける
「昭栄、大丈夫?濡れている身体拭かないと
ダメだから校舎の中に入ろう。ね!」
だが、の声も虚しく、再びカミナリが鳴り
昭栄はさらににしがみついた。
「なんね、いつまでに抱きついとる気ね?ショーエイ」
抱きついている昭栄の背中を踏みながらの
カズの言葉にも反応せず
昭栄はにしがみ付いたままだった。
「昭栄、とりあえず校舎に入ろう。
このままじゃ風邪ひいちゃうし・・・・・・」
カズに踏まれた昭栄の背中を撫ぜ
ゆっくり、やさしく言葉をかけると、
空ではカメラのフラッシュの様な強烈な光の直後
打ち上げ花火の様な大きな音が鳴り響いた。
稲光に目をくらましていると身体が浮いている
感覚の後、何時の間にか真っ暗の建物の中にいた。
「ここどこ?」
一瞬にしてパラレルワールドに来てしまった状態に
なり、首を左右に動かしながら
目に見える建物を見回すと
上履きを片付ける為の下駄箱がある事に気付いた。
「昇降口?という事はココは校舎内?」
自分がいる場所が解ると、今、自分がどういう状態に
なっているのか少し解ってくる。
まず、視界に入ってくるのは雨の中、校舎に向って
走ってくるカズ達に、そして視線を自分の身体に向けると
震えながらしがみ付いている昭栄の姿が見えた。
大きな身体を小さく丸め抱きついている
昭栄の背中をゆっくり撫ぜながら
視線はこちらに向って走ってくるカズの視線を送ると
苦笑しながら記憶のない状態の説明をしてくれた。
「カミナリが鳴った瞬間、ショーエイがいきなりに
抱きつきよったんや、そしたら勢いが強すぎたモンで
が倒れたけん」
「だから、背中が痛いんですねぇ」
「そげん痛いか?」
を抱きついている昭栄を睨みながら
背中の痛みを訴えたを心配そうに声をかけると
「大丈夫です。風邪を引いたら大変ですから
急いで身体を拭いて下さい」
心配をしたハズなのだが反対に返され
しぶしぶ、タオルで髪を剥きながらため息を付いた。
しばらくたつと、カミナリの音は遠くに行き
外は地面を叩きつける音が響いた。
誰、一人話をせずと昭栄を見ていた。
そんな中、は手を休めず昭栄の背中を撫ぜていた。
なんだか、大きい弟が出来たみたい・・・・
将も功兄もこんな感じで私の事見てたのかぁ
そう、思いながら昭栄の大きな背中を撫ぜていると
カズと視線が合うと、カズがに抱きついている
昭栄の肩に手を置き
「ショーエイ、いつまでそげん事しとる。
が苦しかやろ!いい加減離れろ!!」
言葉が終ると同時に、から昭栄を力任せに離す。
「昭栄!?カズ先輩!?」
イキナリの事でカズの行動が解らず声を上げてると
コトを見かねた九州選抜キャプテンの城光与志忠が
諦めのため息を付き
「雨も小降りになってきたし、そろそろ帰ってもよかやろ」
キャプテンの言葉もあって各々、自分のカバンを持ち
あいさつをしながら帰っていった。
残ったのは、キャプテンにカズ、昭栄、だったが
他の部員が帰ったのを見届けると、
「俺も、帰るちゃ。お前らもはよ帰れよ」
言い残し一人帰っていった。
「し、昭栄大丈夫?もう、怖くない?」
カズに倒されコケたままだった昭栄に声を掛けるが
「こげん事で倒れててどうするちゃ!こんなの
ほっといて帰るぞ」
倒れている昭栄を跨ぎ、の手を握り力任せに引っ張り
立たせ、昇降口をくぐり雨の降る中歩き出した。
途中、グラウンドに置いてかれていたの傘を
拾いに渡すと、再びの手を引っ張り歩き出した。
「カズ先輩!昭栄置いてきちゃいましたけど良いのですか?」
「よか!」
の言葉に、一言で言い切ると早足で歩き出した。
「か・カズ先輩」
「なんね!」
の言葉に、怒鳴る様に声をかけると
「あの、少し・・ゆっくり歩いて頂けませんか・・・・」
肩を上下に揺らし咳込みながらカズに訴えると
立ち止まり、の方を見、視線を地面に移し
「スマン」
そう、言うと今度はゆっくり歩き出した。
も手を握られたままカズの横に並び
オレンジの傘でカズに雨が当たらない様に
気を付け朝の様に歩いた。
「今日、体調悪かったと?」
「いえ、・・・・あ!カミナリが怖かったんです」
カズの言葉を聞きナニが聞きたいのか察した。
「そげん事、初めて聞いたばい」
「誰かが傍にいてくれるといてくれるとイイのですが
一人だと、ちょっと怖いんです」
「さようか」
「はい。そうだ、今度独りの時にカミナリがなったら
カズさんの傍に行って良いですか?」
「・・・・・好きにすればよか」
「じゃ、約束」
傘を持った手の小指をカズの前に出すと
驚いた様な顔をした後、どこかに視線を逸らすと
軽く小指を絡ませすと直ぐに離した。
「ありがどうございます」
笑顔で礼を言い、違う話を持ち出し
会話をしながら家路についた。
その夜、再びカミナリが鳴り出すとが泣きなから
カズに電話をすると、隣に住んでいる事もアリ
直ぐにの前に現れた。
少しめんどくさそうに現れたカズにが抱きつき
カズが焦りながら外すと、袖口を握ったが
嬉しそうに
「ありがとうございます」
と礼を言うと、少し顔を赤らめたから視線を外し
「そげん事気にせんでよか」
カミナリの音が鳴るたび目を瞑り、全身に力を入れ
固まっているたび、カズがの頭を軽く叩き
ゆっくり夜から朝へと時間が進んで行った。